Grail社の多種がん血液検査「Galleri」、PATHFINDER 2試験で有効性向上と偽陽性率低下を示す
Grail社が開発した多種がん早期発見(MCED)血液検査「Galleri」のPATHFINDER 2試験の結果が、ESMOがん学会で発表されました。本試験では、過去の試験よりも高い有効性と低い偽陽性率が示されています。
試験結果の概要
対象と検出対象: 米国とカナダの無症状成人25,000人を対象に12ヶ月間実施され、約50種類の異なるがんを検出します。
検出率の向上: 標準的な乳がん、子宮頸がん、大腸がん、肺がんのスクリーニング検査にGalleriを追加することで、がん検出率が7倍に増加しました。
既存スクリーニングのないがん: Galleriによって検出されたがんの約4分の3は、現在推奨されるスクリーニング検査がないタイプでした。
陽性結果の確認率: 陽性結果が出た約1%の参加者のうち、62%が追跡検査でがんであることが確認されました。これは前回のPATHFINDER試験の約43%よりも大幅な改善です。
偽陽性率: 約40%のケースで偽陽性となりましたが、陰性と判定されたケースでは99%の確率でがんが正しく除外されました。
原発巣の特定: 約90%のケースでがんの原発巣を正しく特定できました。
- 早期発見: 検出されたがんの54.5%が早期(ステージ1または2)であり、69.3%がステージ3でした。
研究者のコメントと今後の展望
主導研究者であるオレゴン健康科学大学のニマ・ナバビザデ氏は、「がんスクリーニングは命を救うが、現在米国では4〜5種類のがんしか定期的にスクリーニングされておらず、がん死亡の約70%は標準的なスクリーニングがなく、手遅れになってから発見されるがんである」と指摘しました。また、「PATHFINDER 2のデータは、Galleriががんスクリーニングへのアプローチを根本的に変え、治療や治癒の可能性が最も高い早期段階で多くのがんタイプを検出するのに役立つ可能性を示している」と述べました。
Grail社は、本試験のデータをFDAへのGalleriの市販前承認(PMA)申請の一部として提出する予定です。これには、英国のNHS患者14万人を対象とした3年間の試験結果も含まれ、来年発表される予定です。Grail社は、2026年前半にマーケティング申請を完了することを目指しています。
批判的な意見
しかし、一部の科学者は、この検査が広範な展開にはまだ準備ができていないと考えています。オックスフォード大学の分子診断学専門家であるアンナ・シュー教授は、62%の検出率を「期待外れ」と評し、予想される検査費用($996)に基づくと、NHSにとって費用対効果の観点から価値があるか疑問を呈しています。彼女は、検出されたがんの数が予想よりも少なく、従来のスクリーニングで検出できるがんも含まれていることを指摘しています。
