ノバルティスに対する個人健康情報共有に関する集団訴訟
米国で、ノバルティスが患者の個人健康情報をGoogleやContentSquareを含む第三者企業と共有したとして、集団訴訟が提起されました。
訴訟の概要と原告の主張
原告はバーモント州在住のP.M.と特定され、ノバルティスの乳がん治療薬「Kisqali」の治療を受けていました。彼女は製品ウェブサイトを訪れ、薬に関する情報を得たり、優待カードを申請したりしました。
訴状によると、ノバルティスはウェブサイト上でトラッキングピクセルなどのツールを使用し、P.M.の機密情報を彼女の同意なく無許可の第三者に送信したとされています。この結果、P.M.は自身の病状に関連するターゲット広告をオンラインで受け取るようになりました。
原告は、ノバルティスが「マーケティング活動と利益を患者のプライバシーよりも優先し、ウェブサイトに追跡ツールをインストールした」と主張しており、これによりP.M.は医療プライバシーの侵害と精神的苦痛を受けたと訴えています。
広がる同様の訴訟と法的背景
この訴訟は、企業がウェブサイト利用者のデータを同意なく違法に共有していると非難する米国および他地域での一連の訴訟の最新事例であり、多くはGoogleやFacebook親会社のMetaのトラッキングピクセル利用に焦点を当てています。
先行事例1: 先月、ニューヨークの医療システムNorthwellは、患者ポータルから収集した個人データを不法に共有したとして提起された集団訴訟を和解しました。
先行事例2: 一方、昨年カリフォルニア連邦裁判所は、ピクセルトラッカーなどで収集されたデータが、単にユーザーの公開ウェブページへの訪問を反映するものであれば、保護された健康情報(PHI)の侵害には当たらないとの判決を下しました。
ノバルティスは、この種の訴訟のターゲットとなった最も著名な大手製薬グループであると考えられており、これらの追跡ツールが製薬製品や企業ウェブサイトで広く使用されていることから、この訴訟は注目されています。
訴状は、免疫生物学製剤「Cosentyx」、心不全治療薬「Entresto」、コレステロール降下療法薬「Leqvio」、前立腺がん放射線療法薬「Pluvicto」など、ノバルティスの他のいくつかの製品ウェブサイトにもトラッカーが存在することを示唆しています。
訴訟の根拠と要求
原告は、これらのトラッカーが米国の医療保険の携行性と責任に関する法律(HIPAA)および電子通信プライバシー法(ECPA)のプライバシー条項に違反し、守秘義務、受託者義務、契約の違反を構成し、過失および不当利得に当たると主張しています。
原告は、これらのトラッカーの使用に対する差し止め命令、損害賠償、および費用を求めています。
元記事:Patient sues Novartis, claiming data-tracking privacy breach