ダトロウェイ、転移性TNBCの未治療患者向けにFDA承認 – 米国初の一次治療TROP2 ADC
アストラゼネカと第一三共のダトロウェイ(Datroway)が、転移性トリプルネガティブ乳がん(TNBC)の未治療患者の一部に対し、米国食品医薬品局(FDA)の承認を取得しました。これは、米国においてこのクラスの薬剤としては初めての一次治療での承認となります。
承認の背景と対象患者
この承認は、優先審査を経てTROPION-Breast02試験の結果に基づいており、PD-1/PD-L1阻害剤による一次治療免疫療法が不適格な患者に新たな治療選択肢を提供します。Triple Negative Breast Cancer Foundationの理事は、転移性TNBC患者の約7割が免疫療法の候補ではなく、これまでは化学療法が唯一の治療選択肢であったことから、今回の承認によって「伝統的な化学療法を超えた新たな標準治療」が初めて提供されると評価しています。
臨床的意義
TROPION-Breast02試験では、ダトロウェイによる治療が化学療法と比較して、中央値全生存期間(OS)を5ヶ月間統計的に有意に改善し、患者の疾患進行または死亡リスクを43%削減しました。これにより、ダトロウェイはTROP2クラスの薬剤として一次治療TNBC患者のOSを改善した初の薬剤となり、約2年という「前例のない」中央値OSを示しました。TNBCは乳がんの中で最も悪性度が高く、全症例の15%を占め、予後が非常に悪い(中央値OS 12~18ヶ月)疾患です。
商業的展望と競合
ダトロウェイは、既に昨年HR陽性HER2陰性乳がんおよびEGFR変異非小細胞肺がん(NSCLC)の治療薬としてFDA承認されており、2023年には2億1800万ドル、2026年第1四半期には1億200万ドルの売上を記録しています。今回の一次治療TNBCでの承認は、アストラゼネカと第一三共にとってさらなる成長ドライバーとなり、アストラゼネカは年間ピーク売上高が50億ドルに達する可能性を予測しています。
競合としては、ギリアド・サイエンシズのTROP2 ADCトロデルヴィ(Trodelvy)がありますが、一次治療での無増悪生存期間(PFS)データは陽性であるものの、これまでのところOS改善は示せていません。アストラゼネカと第一三共は、PD-1/PD-L1適格患者を対象としたTROPION-Breast05試験など、ダトロウェイのTNBCにおける適応拡大をさらに計画しています。
元記事:Datroway is first TROP2 drug for frontline breast cancer