グラブス病患者におけるメチマゾール(MMI)の減量と再発率に関する新研究
グラブス病患者において、MMI中止前により低い維持量を処方することが、より高い用量と比較して有意に高い寛解率と関連していることが、2025年米国甲状腺学会年次総会で発表された新たな研究で明らかになりました。この研究は『Journal of Clinical Endocrinology and Metabolism』にオンライン掲載されています。
研究の背景と目的
グラブス病の再発は20%から70%と高く、抗甲状腺薬の総治療期間や最小維持量の期間がリスク要因とされています。最近の研究では、中止前の最小維持量が「医師が管理可能な重要な調節因子」として注目されています。日本では2.5mg錠が利用可能ですが、米国では5mgが最小用量です。最適な維持量に関するエビデンスが不足していたため、研究者らは2.5mg未満の用量が再発率を減少させるかを判断するため、後ろ向きコホート研究を実施しました。
用量減少と再発リスクの低下
研究者らは、2008年から2024年の間にグラブス病と新規診断され、1日2.5mg以下の最小維持量でMMIを中止した熊病院の患者4352人を特定しました。患者は中止前の最終維持用量によって以下の4群に分類されました。
- 2.5 mg/日 (n = 3523)
- > 1.25 mg/日 かつ < 2.5 mg/日 (n = 526)
- 1.25 mg/日 (n = 227)
- < 1.25 mg/日 (n = 76)
1年後の再発率は以下の通りでした。
- 2.5 mg/日群: 13.8%
- > 1.25 mg/日 かつ < 2.5 mg/日群: 13.1%
- 1.25 mg/日群: 7.1%
- < 1.25 mg/日群: 2.6%
年齢、性別、甲状腺体積、喫煙状況、MMI総治療期間、維持量の期間、中止時のTRAb力価などの因子で調整後も、この関連は不変でした。2.5mg/日群と比較した再発の調整済みリスク比 (RR) は、1.25mg/日群で0.46、< 1.25mg/日群で0.18でした。用量カテゴリー全体で統計的に有意な傾向 (P for trend <.05) が観察され、低用量MMIが再発リスクの減少と関連する用量反応関係が示唆されました。
傾向スコア分析と臨床的意義
傾向スコア分析でも、1.25mg/日群は2.5mg/日群と比較して1年再発リスクが有意に低いことが示されました (RR, 0.44)。また、≤ 1.25mg/日群は > 1.25~≤ 2.5mg/日群と比較して1年再発リスクが有意に低い結果でした (RR, 0.46)。
これらの結果は、MMI中止前のより低い最小MMI用量が再発率の低下と関連することを強調しています。研究者らは、このメカニズムには「免疫状態の安定化や免疫再活性化の最小化」が関与する可能性を指摘していますが、さらなる研究が必要です。
臨床的には、2.5mgや1.25mgのような低用量製剤の普及と開発が、新薬開発よりも費用対効果が高い可能性があります。ベス・イスラエル・ディーコネス医療センターのJames Hennessey医師は、特に高齢患者において、ごく低用量のMMIが甲状腺機能を正常に保つのに役立つと述べています。患者も低用量継続に満足している傾向があります。
本研究の主なメッセージとして、臨床医はグラブス病の寛解を目指す場合、より低用量のMMIを試みるべきであるとされています。
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元記事:Reducing MMI Dose Pre-Stop Cuts Relapse in Graves Disease