「悪い睡眠が脳の老化を加速させる可能性があり、その一因として炎症の増加が挙げられる」という新しい研究結果が発表されました。
研究結果の概要
研究者たちは、睡眠の質が悪い人ほど脳の老化が速いことを報告しています。
「健康的な睡眠スコアが1ポイント低下するごとに、脳年齢と実年齢の差が約6ヶ月拡大した」と主任研究者のアビゲイル・ダブ氏は述べています。
「睡眠の質が悪い人は、平均して実年齢より1歳脳が老けているように見えた」とのことです。
研究方法
この研究では、英国の大規模健康研究プロジェクトであるUK Biobankに参加している27,500人以上の中高年の脳スキャンを評価しました。
参加者からは睡眠の質に関する情報も提供され、血液サンプルを用いて体内の炎症レベルが測定されました。
脳老化のメカニズム
スキャン結果は、睡眠の質が低下するにつれて脳の老化が加速することを示しました。
さらに、炎症が悪い睡眠と加速した脳老化の関連性の約10%を説明していることが判明しました。
ダブ氏は、「我々の発見は、悪い睡眠が加速した脳老化に寄与する証拠を提供し、炎症がその根底にあるメカニズムの一つであることを示唆している」と述べています。
その他にも、悪い睡眠は主に睡眠中に活動する脳の老廃物除去システムを阻害し、アルツハイマー病に関連するアミロイドベータやタウタンパク質などの毒性物質の増加につながる可能性も指摘されています。
また、心臓の健康への影響も脳の健康を損なう一因となるかもしれません。
予防への示唆と留意点
「睡眠は変更可能であるため、より健康的な睡眠を通じて加速した脳老化、ひいては認知機能の低下を防ぐことができるかもしれない」と研究者らは示唆しています。
ただし、本研究は悪い睡眠と脳老化の間の関連性を示すものであり、直接的な因果関係を証明するものではない点に留意が必要です。