BRCA保因者における妊娠関連乳がん後の妊娠と予後に関する研究
研究の概要
BRCA保因者で妊娠中に乳がんと診断された女性において、その後の妊娠の発生率と母体の予後への影響を評価する後方視的コホート研究が実施されました。対象は2000年1月から2020年12月までに診断された282名(診断時年齢中央値33歳)で、追跡期間中央値は7.3年でした。
主要な結果
その後の妊娠の発生率:
10年累積妊娠発生率は36.6%(95% CI, 29.5%-44.8%)でした。
診断から妊娠までの期間中央値は3.3年でした。
妊娠成功群の特徴と転帰:
妊娠に成功した患者は、診断時年齢が若く(中央値31歳 vs 34歳)、トリプルネガティブ腫瘍の割合が高い(73.5% vs 55.1%)傾向がありました。
妊娠成功群の75.9%が正期産(≥37週)で出産し、74.1%が合併症を経験せず、79.4%が生児出産に至りました。
母体の予後:
その後の妊娠の有無による無病生存期間(調整ハザード比[HR] 1.06; P=.875)および全生存期間(HR 0.63; P=.444)に有意な差は認められませんでした。これは、その後の妊娠が母体の予後に悪影響を与えない可能性を示唆しています。
ホルモン受容体状態と妊娠率:
ホルモン受容体陽性乳がん患者は、ホルモン受容体陰性患者と比較して、10年累積妊娠発生率が低い(30.2% vs 40.4%)傾向にありました。
臨床的意義と限界
本研究の結果は、妊娠中に乳がんと診断されたBRCA保因者の若い女性が、その後の妊娠を希望する際の生殖カウンセリングに役立つ可能性があります。
ただし、本研究は後方視的であり、2000年から2020年までのデータに基づいているため、現在の最新治療法(例:ペムブロリズマブ、オラパリブ)が広く使用されていなかったことや、胎児・産科的転帰の情報が初回妊娠に限定されている点に留意が必要です。
元記事:BRCA Carriers Conceive After Pregnancy-Related Breast Cancer
