EUにおける若者の喫煙率、価格と政策の影響を分析
概要と主要な知見
欧州連合(EU)における若者の喫煙率は、2012年の28.4%から2023年には22.2%へと減少しました。特に、タバコ価格の上昇は若者の喫煙率減少と関連があり、タバコ1パックあたり1ユーロの価格上昇は男性の喫煙率を減少させることが示されました。一方で、18歳以上販売の年齢制限政策は、EUレベルでは若者の喫煙に有意な効果を示しませんでした。
研究方法
本研究は、26のEU加盟国における15歳から24歳までの12,087人を対象とした縦断的生態学的研究です。2012年から2023年までの5回のユーロバロメーター調査波のデータが使用され、若者の喫煙率と、タバコ価格、18歳以上販売法との関連が分析されました。喫煙状況は自己申告に基づいています。
詳細な結果
喫煙率の推移: 若者の喫煙率は、全体で2012年の28.4%から2023年には22.2%に減少しました。この期間中、男性では33.7%から24.3%へ、女性では23.0%から19.6%へと減少が見られました。
タバコ価格の影響: タバコ1パックあたり1ユーロの価格上昇は、男性の若者の喫煙率を3.42パーセンテージポイント減少させることと関連していました(95% CI, -6.40 to -0.45)。女性においては有意な効果は観察されませんでした。
年齢制限政策の影響: 18歳以上販売法とEUレベルでの若者の喫煙率の間には、有意な関連は見出されませんでした。
地域差:
南ヨーロッパでは、価格上昇が若者の喫煙率全体および男女双方で大幅な減少と関連していました。
北ヨーロッパでは、価格上昇が男性の若者の喫煙率で大幅な減少と関連していました。
- 東ヨーロッパでは、18歳以上販売法の実施が女性の若者の喫煙率を15.5パーセンテージポイント減少させることと関連していました。
提言と限界
研究者らは、「若者の喫煙をさらに減少させるためには、性別に応じた介入の必要性」を強調しています。既存政策の施行を強化し、包括的なタバコ規制策の実施を拡大するとともに、性別や地域間の格差に対処することが重要であると述べています。
研究の限界としては、自己申告に基づく喫煙状況による回答バイアスの可能性や、生態学的分析であるため個人レベルの因果関係を反映できない点が挙げられます。また、本研究は紙巻タバコのみに焦点を当てており、無煙タバコ、電子タバコ、ニコチンポーチ、加熱式タバコ製品は含まれていません。
