難治性のがん治療薬開発のTrogenix、9500万ドル(約7000万ポンド)を調達

難治性のがん治療薬開発のTrogenix、9500万ドル(約7000万ポンド)を調達

Trogenix、悪性癌治療薬開発で7,000万ポンド(9,500万ドル)を調達

スコットランドのエディンバラを拠点とするスタートアップ企業Trogenixは、治療困難な悪性癌(特に膠芽腫から開始)に対する治療薬パイプラインのために7,000万ポンド(9,500万ドル)を調達しました。

企業概要とビジョン

エディンバラ大学のスピンアウト企業であるTrogenixは、投資グループ4BIO Capitalによって2024年初頭に設立されました。その大胆な目標は、癌治療を慢性疾患管理から潜在的に治癒可能な1回限りの治療へと変革することにあります。

革新的な薬剤発見プラットフォーム「Odysseus」

同社の薬剤発見プラットフォームである「Odysseus」は、合成スーパーエンハンサー(SSEs)と呼ばれる、工学的に設計されたDNA要素を生成するように設計されています。これらは、悪性癌細胞に特異的に発現する転写因子の「ドッキングステーション」として機能します。

ウイルス免疫療法のメカニズム

Trogenixのウイルス免疫療法は、以下の3つの治療メカニズムを組み合わせます。

  • 2つの治療ペイロードの送達:
  • 経口プロドラッグを細胞毒性剤に変換する酵素。
  • 腫瘍に対する免疫応答を刺激するために設計されたIL-12をコードするベクター。
  • アデノ随伴ウイルス(AAV)による第三のメカニズム:
  • 治療送達に使用されるAAV自体が、腫瘍の再発を防ぐための長期的な免疫記憶を刺激します。

主要プログラムと臨床試験

Trogenixの主導プログラムは膠芽腫(GBM)を対象としています。膠芽腫は最も悪性で治療抵抗性の高い脳腫瘍の一つであり、新規診断患者の1年生存率はわずか25%に過ぎません。このプログラムは臨床試験の準備段階にあり、来年第1四半期に最初の患者への投与が予定されています。また、第二のプログラムとして、肝臓に転移した結腸直腸癌の治療薬も開発中です。

資金調達と投資家

今回のシリーズA資金調達は、CEOのDr Ken MacnamaraとCSOのProf Steve Pollardによって共同設立された同社にとって「重要な投資」となります。この資金は、主要プログラムの臨床段階への進展と、Odysseusプラットフォームのさらなる強化に役立てられます。

資金調達はIQ Capitalが主導し、4BIO CapitalCancer Research HorizonsBrain Tumour Investment Fundといった既存投資家に加え、Eli LillyMeltwindLongeVCCalculus Capital、および非公開の個人投資家が新規投資家として参加しました。IQ Capitalの共同創設者兼マネージングパートナーであるMax Bautin氏は、Trogenixの「世界をリードする科学、優れた経営陣、そして臨床および商業的実現に向けた明確なロードマップ」に対する自信を表明しました。

英国バイオテック分野の堅調さ

今回の多額の資金調達は、英国のバイオテック分野がベンチャーキャピタル投資を引き付け続ける回復力を示しています。BioIndustry Association(BIA)のデータによると、今年上半期には12.3億ポンドが調達され、2025年には2024年の総額に匹敵するかそれを上回る見込みです。これは、世界のバイオテック資金調達環境がより保守的になっている状況(米国は前四半期比24%減、欧州は40%減)と対照的です。

元記事:UK's Trogenix raises £70m for cancer immunotherapy platform